デスクワークの正しい座り方?意識より先に椅子と画面を整える
この記事は一般情報であり、腰や首の症状の診断・治療を目的にしない。
この記事は、朝は姿勢よく座れるのに午後には必ず猫背になっている人、在宅ワークになってから首や腰の疲れが増えたと感じる人、「正しい座り方」を検索したものの続かなかった経験がある人に向けた一般情報です。
この記事の結論
高機能チェアや昇降デスクを買う話ではありません。道具は今のままでいい。いま使っている椅子と机で、次の順番に整えれば大半は足ります。
- 椅子に深く座り、足裏全体が床につく高さに合わせる
- 画面の上端を目の高さまで上げ、目から40cm以上離す
- 1時間に1回は立ち上がる区切りを入れる
順番が大事です。環境が崩れたまま「背筋を伸ばそう」と意識しても、集中した瞬間に崩れます。作業と関係なく痛みやしびれが続くときは、環境調整より受診を優先してください。
編集部が在宅ワークの機材相談で必ず伝えているのは、「あなたの姿勢が悪いのではなく、机の上が姿勢を決めている」ということです。
ノートパソコンを机に直置きすれば、画面は目線よりはるかに下です。こうなると勝負ありです。誰が座っても、頭は画面に引っ張られて前へ落ちます。逆に、画面が目の高さにあれば、意識しなくても頭は起きたままです。
姿勢を保つのに使う集中力はゼロにしたい。集中力は仕事に使うものだからです。
整える順番
1. 椅子:深く座って、足裏を床につける
厚生労働省の情報機器作業ガイドラインは、椅子に深く座り、足裏全体が床に接するようにすることを基本としています。
浅く腰かけて背もたれに寄りかかると、骨盤が後ろに倒れて猫背の土台ができます。まずお尻を背もたれの根元まで入れる。座面が高くてかかとが浮くなら、座面を下げるか、床に厚めの本を置いて足台にします。
2. 画面:上端を目の高さまで、40cm以上離す
同じガイドラインでは、ディスプレイは目から40cm以上離し、画面の上端が目の高さまでに収まるようにするとされています。Cleveland Clinicもモニターを目線の高さに置くことをすすめています。
外部モニターなら台で上げれば済みます。問題はノートパソコン単体です。画面を上げればキーボードが遠くなり、両立しません。厚労省のパンフレットもタブレット等の長時間作業では外付けキーボードによる疲労予防を挙げているので、ノートパソコンでも考え方は同じで、本体を箱や台で持ち上げて外付けキーボードを手前に置く構成が現実解になります。
3. 区切り:1時間に1回、立ち上がる
ガイドラインは、作業は1時間以内のサイクルで区切り、間に10〜15分の休止を入れ、サイクルの途中でも1〜2回の小休止をとる想定を示しています。会議の合間にそこまで取れない日でも、Cleveland Clinicが挙げる「1時間ごとに立って歩く」だけなら実行できます。
飲み物を取りに行く、立って資料を読む。立つ理由は何でも構いません。
座り方でやりがちなNG
0. 「背筋を伸ばす」ことから始める
読者が最初にやりがちなのがこれです。環境がそのままだと、伸ばした背筋は数分しか持ちません。意識は最後の仕上げで、最初の一手は画面と椅子です。
1. 画面との距離を詰めて猫背を固定する
文字が小さくて読みにくいとき、人は画面に顔を近づけます。40cm未満まで近づいているなら、距離を戻す前に文字サイズを上げてください。拡大率を10%上げるだけで、顔が画面に吸い寄せられる回数が減ります。
2. 高い椅子を買えば解決すると考える
調節機能が多い椅子は助けになります。ただ、深く座らなければ結果は同じです。どんな椅子でも同じ崩れ方をします。買い替えの検討は、今の椅子で座面の高さと座り方を合わせてみてからで遅くありません。
3. 昼休みまで一度も立たない
集中していると、2〜3時間の座りっぱなしは普通に起きます。ここが落とし穴です。長く座るほど、直した姿勢は戻りにくくなります。区切りはカレンダーの予定と同じ扱いで先に決めておきます。
デスク環境チェック表(数値つき)
| 確認箇所 | 目安 |
|---|---|
| 座り方 | お尻が背もたれの根元まで入っている |
| 足裏 | かかとまで床(または足台)についている |
| 画面の上端 | 目の高さと同じか、少し下 |
| 目と画面の距離 | 40cm以上(腕を伸ばした距離が目安) |
| 机の下 | 脚が自由に動かせる(荷物を置いていない) |
| 立つ区切り | 1時間に1回以上 |
今日の自分の状態と見比べると、直す場所が1〜2箇所に絞れます。全部を一度に変える必要はありません。
座りっぱなしは何がまずい?1日8時間座る男性のリセット習慣医療機関へ相談したほうがいいサイン
- 環境を整えても、痛みやしびれが1週間以上続く
- 作業中だけでなく、休日や就寝時にも痛む
- 手や脚に力が入りにくい感覚がある
こうした場合は座り方の問題を超えている可能性があります。整形外科などでの相談を優先してください。
まとめ
- 座り方の意識より先に、椅子・画面・区切りの3つを整える
- 深く座って足裏を床に、画面上端は目の高さ、距離40cm以上
- ノートパソコンは台+外付けキーボードで画面だけ上げる
- 1時間に1回立つ。理由は飲み物でいい
参考:情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン パンフレット(厚生労働省) / Poor Posture Hurts Your Health More Than You Realize(Cleveland Clinic)